地質・土質調査(地質調査業登録 質29第2384号)
弊社では、各種地質調査・原位置試験を実施しています。ここではそれらの試験のうち、一般によく行われている試験について、簡単な解説をしています。ここに挙げていない調査・試験については、お気軽にお問い合わせください。
調査項目
調査・試験内容 | 規格 | 主な使用目的 | 適用地盤 | 可能深さ(m) | 求められる地盤情報 |
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標準貫入試験併用試錐 | JIS A 1219 | 多種類地盤の締まり度・硬さ 土質試料採取 | あらゆる地盤 | 基本的には 制限なし | 地層判別、N値、各種地盤定数の推定 支持力 |
簡易動的コーン貫入試験 | JGS 1433 | 表層地盤の硬さ、地層判定 調査ボーリングの補完 | 玉石、礫や固結地盤を除く地盤 | 一般的には5m程度 | 換算N値、換算qc、推定の地層判別 |
スクリューウエイト貫入試験(旧スウェーデン式サウンデイング試験) | JIS A 1221 | 表層地盤の硬さ、地層判定 調査ボーリングの補完 宅地地盤の強度 | 玉石、礫や固結地盤を除く地盤 | 一般的には10m程度 | 換算N値、支持力、換算qu、推定の地層判別 |
ポータブルコーン貫入試験 (単管式) | JGS 1431 | 表層地盤(粘性土)の硬さ | 粘性土や 腐植土地盤 | 5m程度 | コーン貫入抵抗qc、換算qu、換算N値 |
機械式コーン貫入試験 | JIS A 1220 | 軟弱な地盤の硬さ、締まり度 | 粘性土や 緩い砂地盤 | 20~30m程度 | コーン貫入抵抗qc、換算qu、換算N値 |
小型動的コーン貫入試験 | – | 多種地盤の締まり度・硬さ 調査ボーリングの補完 | 玉石、転石や固結地盤を除く地盤 | 20~30m程度 | 換算N値 |
単孔を利用した透水試験方法 | JGS 1314 | 地盤の透水係数 | 未固結地盤 | 基本的には 制限なし | 透水係数 K |
孔内水平載荷試験 | JGS 1421 | 地盤の強度、変形特性 | 未固結地盤 固結地盤 | 基本的には 制限なし | 地盤の水平方向の変形係数 E |
乱れの少ない試料採取 | 土質試験用サンプリング | 未固結地盤 | 基本的には 制限なし | - | |
固定ピストン式 シンウォールサンプラー | JGS 1221 | ||||
ロータリー式二重管サンプラー | JGS 1222 | ||||
ロータリー式三重管サンプラー | JGS 1223 | ||||
オーガー式ボーリング | – | 地層判定、土質試料採取 | 孔壁崩壊のない 地盤 | 2~3m程度 | - |
調査詳細
地盤環境課
- 標準貫入試験: JIS A 1219
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この試験は、SPTサンプラーを動的貫入することによって地盤の硬軟、締り具合の判定及び土層構成を把握するための試料の採取、N値を求める試験になります。
質量63.5kgのハンマーを760㎜の高さからアンビルに落下させて、SPTサンプラーを300㎜打ち込むのに必要な打撃回数のN値を測定します。
一般的には、土木、建築業界の幅広い分野で実施しています。
- 簡易動的コーン貫入試験:JGS 1433
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この試験は、質量5±0.05kgのハンマーを500±10㎜の高さから自由落下させ、原位置における地盤の動的な貫入抵抗を簡易に求める試験になります。
一般的には、ボーリング調査の補完で傾斜地などの調査や堤体等などの地盤の緩み調査等で実施しています。
この試験装置は、スウェーデン式サウンディング試験と比較すると軽量であり、取扱いも容易であるため、傾斜地や立坑内での調査等にも対応は可能となります。
標準貫入試験などの動的貫入試験に比べて打撃エネルギーがはるかに小さいので、貫入抵抗の大きい硬質な粘性土や礫地盤には適用できません。
- スクリューウエイト貫入試験(旧スウェーデン式サウンデイング試験):JIS A 1221
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荷重による貫入と回転による貫入を併用した原位置試験であり、土の静的貫入抵抗を求める試験になります。 土の硬軟または締まり具合を判定するとともに、地層構成を把握することができます。
一般的にはボーリング調査の補完で軟弱地盤の調査や構造物の支持力確認、宅地造成地盤における地耐力確認等で実施しています。
試験は、深さ10m程度の軟弱地盤層を対象に静的貫入抵抗を測定するもので、密な砂質地盤、礫・玉石層または固結地盤などには適用できません。
- ポータブルコーン貫入試験:JGS 1431
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この試験は、粘性土や腐植土などの軟弱地盤に人力でコーンを静的に貫入させることによって、コーン貫入抵抗を求める試験になります。
一般的には軟弱地盤調査における強度確認や建設機械のトラフィカビリティ(走行性)を判定するために実施しています。
この試験は人力で静的に貫入させるため、貫入力は1kN程度であり、貫入時にはコーン貫入抵抗にロッドの周面摩擦が加わるため、やや硬い粘性土層や砂層などには適用できません。
- 機械式コーン貫入試験:JIS A 1220
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この試験は、コーンを静的に貫入させることによって、地盤構成・土の種類・地盤定数を推定するための試験になります。
試験は、圧入装置を地盤中にアンカーを固定して、その反力を利用して貫入先端を静的に圧入するため、極めて密な砂層、砂礫層、玉石などには適用し難いこともあります。
- 小型動的コーン貫入試験(ミニラム)
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この試験は、オートマチックラムサウンディング機を小型化した動的サウンディング試験装置による地盤の地耐力を調査する貫入試験です。
重さ30kg のハンマーを35cm の高さから自動落下させ、直径36.6mm のコーンを地中に打ち込み、20㎝貫入させるのに要する打撃回数Ndmを測定し、地盤の地耐力を求めることを目的として実施しています。
スウェーデン式サウンディング試験より貫通力が高く、N値との相関性が良いので誤差が少なく、ボーリング調査に比べ安価です。ただし、ボーリング調査と比べると、サンプリングができないため複雑な地層の土質判定が難しい、地下水位を把握できないという違いが有ります。
試験は、玉石層や転石または固結地盤などには適用できません。